2006年05月07日

黄金の日々

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「大きい丸を書いて、数字の7……」
「大きい丸を書いて、数字の7……」

黄金週間。
病室の窓から見える青空に、おばあちゃんは記憶を描く。
黄金週間。
穏やかな午後のひと時を、おばあちゃんと過ごしてきた。
完全看護。
家族の誰かしらが、常に付き添っている事が条件の入院だった。

「ごはん食べた?」おばあちゃんが訊く。
「食べたよ」僕が言うと、
「何か作ろうか?」おばあちゃんは立ち上がる。
「洗濯物、取り込まなくっちゃ……」

子供は4人。孫も数人。
誰かの世話をすることだけが、生き甲斐だったおばあちゃんだ。

    別れることは つらいけど
    仕方がないんだ 君のため
    別れに星影の ワルツを歌おう  
             「星影のワルツ」詞・白鳥園枝

おじいちゃんと死に別れてから、十数年が経つ。
最近は、この歌ばかりを口ずさむ。
お陰ですっかり覚えてしまった。

誰かが言った。「忘れてもいいんだよ」と。
「どうでもいいことから忘れていくんだ……」
「大切なものだけを覚えているんだ……」

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「大きい丸を書いて、数字の7……」
「大きい丸を書いて、数字の7……」

週明けにも、無事に退院できるとのこと。
おばあちゃんは今、黄金の日々を生きている。。。

         


posted by kouta at 20:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 随筆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私の亡くなった母親も、働くだけ働いた人でした。小さい頃から家族のために働いて、結婚しても家族のために働いて、、、死ぬ前の日まで働いてました。
「北国の春」、母親がよく口ずさんでいました。あのふるさとに帰ろうかな、、、幸せな記憶など少ないだろうふるさとを、懐かしんでたのでしょうか、、、。
母親の天国の日々は、きっと変わらず働いてることでしょう。。。
Posted by カノン at 2006年05月07日 22:16
> カノン さま
ゴールデンウイークの締めくくりに、こういった記事を書くと、湿っぽいかなーとか思ったんですが、、、
僕には、とても有意義な時間でした。。。
生粋のおばあちゃん子なんで、過ごせる時間をもっと大切にしたいなと、改めて思いました。。。
Posted by kouta at 2006年05月08日 00:51
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