2006年07月21日

命日

十数年前の今日、中学生の僕は荷作りをしていた。
NHK大阪のドラマに出演する為に、大阪滞在の準備をしていた。

ところがその日の午後、おじいちゃんが死んだ。それはまさに青天の霹靂。
なにしろその日の昼食を、僕はおじいちゃんと一緒に食べていたのだから……

生まれて初めて経験する「人の死」はあまりにも呆気なく、そして悲惨だった。

亡骸が運び出された後、震える手でダイヤルを回し、当時所属していた児童劇団に電話を入れた。
「おじいちゃんが死んだんで、大阪には行けません……」
そのあとのことはよく覚えていない。

翌日の通夜に児童劇団の人たちが来てくれて、父や母となんやかんやと話をしていた。
僕は誰とも話したくなかった。大阪になんて、絶対に行きたくはないし、行ける訳がないとすら思っていた。

告別式の朝、家族や親戚に見送られ、結局僕は大阪に向かった。
重たい気持ちのままNHK大阪に着くと、ひげ面のおじさんが僕を迎えてくれ、
「大変だったろう。だけど、この役は君以外ではとても考えられないんだ」と言った。
後に朝の連続テレビ小説「走らんか!」でもお世話になった演出の長沖さんは、そう言って、その後も塞ぎ込んだ僕のお世話をしてくれた。

通夜の後、やっぱり大阪に行こうと決めたのは、おじいちゃんの部屋のカレンダーに、こっそりと僕の出演するドラマの放送予定がメモしてあることを知ったからだった。
「9月×× 康太のドラマが放送される」
おじいちゃんはそのドラマを見ることなく逝ってしまったが、きっとこれからも、どこかで楽しみにしてくれているに違いない。


十数年後の今日。やっぱり僕は荷作りしている。
明日から京都に入るため、新たな撮影に臨むための準備をしている。

もの凄く暑かったあの日の記憶は、今でもときどき、生々しくも蘇ってくる。
それは決して、悲しいばかりの記憶ではない。
あの日のことは、しっかり胸に刻んで、一生背負って生きていきたい。
7月21日は、僕のおじいちゃんの命日です。。。
posted by kouta at 17:40| Comment(8) | TrackBack(0) | 随筆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
草野さんのおじいちゃんの命日なのですね。私もそっと手を合わせたいと思います。
私はアメリカ留学中、学校の食堂で祖母の訃報を受け取りました。あまりにも突然のことでその場に泣き崩れ、しばらく一人部屋にこもってました。すぐには帰れない、そして葬儀にも出られない・・・とても辛く悲しかったです。私もあの日のことはしっかりと心に刻んでおこうと思います。
明日から京都なんですね。
心から応援しています。放送される日をとっても楽しみにしていますよ!
Posted by miyuki at 2006年07月21日 19:18
人の死。。。
とても悲しい事ですね。。。
私はまだ近しい方が亡くなっていないので、
草野さんが感じている悲しみ。。。
完全にはわかりませんが、
ブログを読んで、少し考えただけでも、
泣きそうになります。。。
実際はどうなってしまうんでしょう。。。

おじいちゃんとおじいちゃんのカレンダー
そして劇団の人たち
演出の長沖さん
が、その時の草野さんを支えてくれていたんですね。

明日から京都入りなんですね
(トオイナ。。。
お仕事頑張ってくださいね☆
Posted by たれめ at 2006年07月21日 21:24
こんばんは。
本日は康太さんのおじいさまの命日なのですね。
私もmiyukiさんと同じく、心の中でそっと手を合わせます…。

私の祖父母は全員鬼籍に入ってしまいました。

…私の祖父母のことについて先ほどまで書き連ねていたのですが、ここで書く必要はないと判断したので削除しました。

帰省して、最近亡くなった祖父母宅(現在は空き家で仏壇のみ)を訪問する度に、祖父母がもうこの世にいないのだ…という現実を私がまだ受け入れられずにいます。仏壇にお線香をあげる度に込み上げてくるものがありますね。しかし、自然に受け入れられる日が来ることを信じて過ごしています。

故人のことを思うとき…。それは、悲しい記憶ばかりじゃないんですよね。亡くなった日のことをしっかり胸に刻んで、私もこれからの人生、頑張っていきたいです。
Posted by ちやんぷる at 2006年07月21日 21:51
明日から京都で撮影とのことで、連日暑いかと存じますが、体調に気をつけてお仕事取り組んでくださいね。康太さんの故郷で応援しています!
Posted by ちやんぷる at 2006年07月21日 21:52
私自身、数年前母親を亡くしてます。でも不思議と悲しくはなかった。他人に自分の事のように悲しみ、同情されることに少し戸惑いもした。自分自身冷たい性格なのかなと思ったりもしたけど、そうでもなかった。いつもいつも心の中で母に語りかけている自分がいる。
母は死んではいない、私の中でいまでも生き続けている、だから悲しくないのだと感じた。
Posted by カノ at 2006年07月21日 22:15
康太くんが今も俳優を続けているのを1番喜んでいるのはおじいちゃんかもネ
康太くんは子供の頃から、私が出会うよりずっと昔から変わらないネ
私とみづほちゃんは1度だけ康太くんと悲しみを共にした事がある
10月20日は石川くんの命日
あれから15年?
坂の途中にある石川くんの家での悲しみは忘れられない
あれから毎年1冊づつ15冊の手帳を使っているけれど忘れない様に書き移しているので毎年手を合わせています
今年は皆で石川くんのお墓参り行けたらいいナ
どんなに忙しくても大切な人を忘れない自分でいたいです
4日後は19才で亡くなった幼馴染の命日なの
この日は彼のすぐ側にいた私達が自然と集う日
1年の内でとても大切にしている1日です
京都は暑いかナ?
おじいちゃんのいる空を見上げて仕事頑張ってネ




Posted by 滝 史絵 at 2006年07月22日 01:21
大好きな人が亡くなるのは とても辛い事ですが 大切な思い出と共に それぞれの心の中で 永遠に生き続けていればいいなぁって 最近 思えるようになりました。草野さんの お祖父様も きっと 近くで見守ってて下さいますよね。そして 草野さんの 心の中で 永遠に暖かい存在として 寄り添い続けるんでしょうね。私も心の中で 手を合わさせていただきます。 京都での お仕事 無理なさらないで 頑張って下さい。
Posted by 神永 at 2006年07月22日 20:31
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今更ですが、コメントどうもありがとうございました。
いつものことではありますが、今回は特に嬉しかったです。
我ながら、いいブログだなぁと思ったりもするんです。やってみて良かったなぁと思います。
こちらのコメントに励まされることもよくあるし、コメント含んでの「日めくりの記憶」です!

これからもどうぞよろしく。。。
Posted by kouta at 2006年07月23日 01:25
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